いぬのこころ

おとなもこどももどうぶつも。

自己責任という都合のいい言葉で。

3月に大学卒業し、4月から某企業に入社した娘。

 

そもそも、会社選びの時点からなにやってんだか。という感じで

まわりのアドバイスなんて聞かず

自分で勝手に決めて勝手に出て行った。

要するにうるさい親の元から逃げたかったんだと思う。

 

それならそれで、ガッツがあるじゃん。

がんばれよとなるんだろうけど、予想どおりの展開。

 

5月6月はほぼほぼリモート研修。

そして8月でもう辞めたと。

 

 

やれ、メンタルがやられるだの適応障害と診断されただの。

労働条件がおかしいだの。

いや、調べればどんな会社かなんてわかるし、

私も情報提供はしましたよね。

いまどき、ネットで会社の口コミなんていくらでもわかるから。

 

 仕事もできないほどに適応障害だのメンタルだのって言うのならば、

一旦実家に戻って、メンタルかなんかしらんが立て直せと伝えると、

数か月前から付き合っている人がいて、精神的な支えになっていると。

 

 

 

どんな人か知らんけど。

 

それに、きちんと立て直して仕事探しなおして、

そういうステップがあってこそ、

むこうの親御さんとだっていい関係築けるようにできるだろうよ。

こっちだって知りませんというわけにいかないし。

という親の話も全く耳には届かず。

 

何か言うと、就職も自分で決めたことだから「自己責任」だから、

自分できちんとやれるようにしたい。自分で立て直したい。

だから実家には帰りません。

 

これだけ聞くと立派なようにも聞こえるけど、

とにかく、アドバイスは聞かない。すぐに折れる。

折れたことについてなにが原因だったかは考えない。

仕方ないでしょ。で終わり。

すべてメンタルのせい。

何か言うと「自己責任」だから自分でなんとかすると。

なんとかなってないけど。

 

さらに言えば、そうやってなんでもダメダメってうるさく言われて

これまでもやりづらかった。

 

ふーん。

 

自己責任という言葉は、

自分で必死で戦って、それでうまくいけばOK。

うまくいかなければ、何が原因だったか考えさらに努力し

やらかした失敗をとりもどして、

次の失敗をしないようにすること。

 

戦わず、原因はしかたないでしょで終わらせ、

失敗はとりもどさず、逃げる。

どこの誰かわからない人が救いだと言い、

精神的物理的寄生。

 

これでは次の失敗またやらかして・・の繰り返しにしかならない。

責任なんてとってないし、何の責任かもよくわからない。

 

 

おまえはどうなんだと言われれば、

親として至らないところはいっぱいあるのはわかるし、

自分だって失敗だらけの人生だったとは思うが、

親として成人するまで、食いっぱぐれたり、

やりたいことをお金で諦めたりさせないようにできる限りのことは

やってきたんですよ。

 

子どもはまだ下にもいるし、

その子も成人させなくちゃならない。

生活楽なわけじゃないし、住宅ローンもある。

なのに、とにかく子ども優先に考えて、

子どものための学費や習い事、学資保険を払うことに

文句も言わないで働いてくれているお父さん。

ほんと、感謝。

口には出さないけど、ありがとうとずっと思っている。

 

でも、そういうのは長女には全然伝わらない。

 

大学だって、入学してからあれはいや、これはわたしにはむいてないと

学べる選択をどんどんなくしていって、なんのための大学なのか。

そんなのに年間100万円以上の学費なんて親が黙って出す必要ありますかね。

って思うけど、結局まあまあいい車が買える金額までは、責任をもって払いました。

 

そもそも最初の約束で途中までは学費は払うが、

あとはバイトをしてお金をためて自分で払うということになっていて、

本人は、1回生からバイトをしていたはずなのに、

結果としては

 

ほぼほぼジャ〇ーズに入れあげて、手持ちはなく、

軽自動車の新車買えるくらいの金額だけど、

残りの学費は私が貸すという形に・・。

 

 実習もある学科で

最後にゼミ担当教諭から電話があって

申し訳ないけれど実習は行かせられませんとか言われたけど、

それもよっぽどじゃないですかね。

確かにものすごい精神的にも体力的にもキツイ実習で、

学校としてもきちんと最後まで行ける人じゃないと行かせないことは

知っていた。

人生観変わるくらいの内容だし、だからこその実習でしょ。

 

私、全く同じその実習あなたより先に終えましたよね。

あなたが3年かけて何を学んだのか知りませんが、

私は仕事しながら通信で学んで。

実習先に行く途中の車の中で体が震えて寒くなって

吐き気がして動けなくなるほどしんどかったけど、

それがメンタルやられるというなら、そうかもしれないけど

しんどいの乗り越えることが目的の時間だと思うから。

 

とにかくここ何年かそんなことの繰り返し。

どこかで挽回してくれるといいなと祈るような思いだった。

何度も何度もよい方向に向かってほしいと思って嫌なことも言ったけど、

何も変わらず、頑なに言い訳をし逃げるばかり。

 

就職という恰好の理由をつけて家が出られてよかったですね。

とにかく、正直もうめんどくさい。

 

幡野広志さんという写真家の方がいて、

この人の著書の中で、

 

親を選んで生まれることはできないけれど、

自分の居場所や家族は自分で選べるし、

家族というのは親子という単位ではなく、自分で選んだ「夫婦」から始まる。

といった内容があって、

 

親は自分の手で関係を切ることができる。とも・・。

 

この本を読んだとき目からうろこだったけれど、

親という立場になったとき、

子に切られてもいいじゃんと思えた。

 

切ってくれて結構。

そういわれたわけじゃないけど、都合のいいときだけ親子でしょって

言われる日がくるくらいなら、切られた方がありがたい。 

 

もう成人した子どもは戸籍上のつながりはあるけれど、

向こうが放っておいてほしいというのなら、

別に関わらなくてもいいのかなと思う。

 

もちろん、元気ではいてほしいし、嫌な目にもあってもらいたくはない。

でも、別にいい。

 

私は、親として足らない部分も多々あったけど、

できるだけの義務を果たしたと思うし、

まだ目の前にいる子どもも育てなくちゃならない。

 

自分の人生だって、もう折り返しをとうにすぎている。

一人で暮らしている親のことももっと気にかけたいし、

「自分が選んだ大切な家族」と一緒に

自分が元気なうちに、初めて見るものにもっと触れたり

楽しいことをしたり、ときには意見を戦わせたり、

過去を振り返ったり、未来についての話を共有したりしたい。

 

 

だから、長女には言いたい。

自分で勝手にやってくれ。

それで幸せになれるのだとしたらそれでいいし、

失敗したら自分でなんとかしろ。

 

但し、私があなたに貸した学費はチャラにはしないし、

きちんと最後の1円まで返しなさい。

自己責任とかじゃなく、人として最低限あたりまえのことだから。

それが済んでから偉そうに自分の人生を語ってくれ。